
地図は2005年のものです。
世界遺産登録地域
世界自然遺産白神山地は青森県南西部から秋田県北西部にまたがる65,000haに及ぶ広大な山地帯の総称のことで、その一部が1993年12月11日にユネスコの世界自然遺産に登録されました。
地域区分 |
秋田県 |
青森県 |
合計 |
核心地域(保全地区) |
2,466ha |
7,673ha |
10,139ha |
緩衝地域(保全利用地区) |
1,878ha |
4,954ha |
6,832ha |
計 |
4,344ha |
12,627ha |
16,971ha |
秋田県=藤里町、青森県=西目屋村、鯵ヶ沢町、深浦町(旧岩崎村を含む)(順不同)
白神山地の特徴
白神山地の誕生は今から約200万年前に始まった日本海の隆起に起源すると言われ、ブナ林の誕生はおよそ8千年前の縄文時代の草創期であるとされています。
白神山地が世界自然遺産に登録された理由、それは人の影響をほとんど影響を受けていない原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布していることにあります。このブナ天然林には、ブナーミズナラ群落、サワグルミ群落等をはじめ多種多様な植物が生育し、高緯度にもかかわらず、ツキノワグマ、ニホンザル、クマゲラ、イヌワシ等をはじめ非常に多くの動物が生息しており、白神山地全体がまるで森林博物館のようです。

特に世界自然遺産登録地域はその原生状態がもっともよく残されていて、核心地域は立ち入りは禁止となっております。
私達が間違って核心部分に入ったとすると、一番影響を受けやすい貴重な微生物の生態が壊されると同時にその変化が植物へと移動していくからです。
ブナ林の特徴
動物の餌となる植物が多く、他の森林に比較して豊富な動物が生息しているほか自然のダムとしての機能や侵食防止の機能もあるなど自然美だけではなくその機能にも注目が集まっています。
秋田県食品研究所が1997年(平成9年)に関係機関の許可を得て遺産地域指定区域1200箇所から試料の採取を行い遺伝資源の中でも、食品素材としてさまざまな働きをする「酵母」を採取することに成功し、最近は「乳酸菌」も発見されたと聞いています。

青秋林道の開発から世界遺産登録へ
1981年に白神山地を横断する青秋林道の路線決定がなされ、翌年には林野庁が林業実施計画を承認しました。82年には工事が着工されましたが、両県議会や秋田営林局に中止の要望が数多く寄せられ、87年にはついに秋田県が秋田川の工事を中止、88年には青森県側も工事を断念して原生部分は守られたのでした。
その後90年には森林生態系保護地域に設定され、91年には環境長官が白神山地を視察しよく92年に自然環境保全地域指定を告示、そして93年12月に世界遺産委員会が世界遺産条約に基づく自然遺産に鹿児島県屋久島とともに登録され世界的に一躍脚光を浴びることになったのです。
世界遺産センター(藤里館)
世界遺産センターは湯ノ沢温泉ホテルゆとりあ藤里の下、県道沿いにある建物で、白神山地に関する様々な生態や自然環境を模型などを使い、わかりやすく展示・解説しています。
主な展示物としては世界の世界遺産、日本の世界遺産、白神山地の自然周辺の風土、暮らし、歴史などの紹介となっております。
開館時間:9時〜17時
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日〜1月4日
電話番号:0185-
79-3001 |